ジャンパー膝とは?症状・原因とセルフケアについて説明

ジャンパー膝は、特にバスケットボールやバレーボールなど、ジャンプを多く伴うスポーツでよく見られる膝の痛みです。この症状は膝の前側に痛みを引き起こし、スポーツパフォーマンスに支障をきたすことがあります。

ジャンパー膝の症状、原因、整骨院での施術法、そして自宅でできるセルフケア方法について詳しく解説します。

目次

ジャンパー膝とは

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)は、膝の前面に位置する膝蓋腱に炎症が起こる疾患です。この疾患は特に、ジャンプを多く行うスポーツ選手や、急激な運動負荷をかけることで発生しやすくなります。膝蓋腱は膝蓋骨(膝の皿)と脛骨(すねの骨)をつなげる重要な腱で、ジャンプ動作や強い着地などで大きな力がかかることで傷つくことがあります。

ジャンパー膝(膝蓋靱帯炎)の説明

具体的にどの部分が影響を受けるのか

ジャンパー膝は、膝蓋腱が膝蓋骨や脛骨に付着する部位に炎症を引き起こします。主に以下の部位に発症することがあります。

  1. 大腿四頭筋の膝蓋骨付着部
    大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の腱が膝蓋骨に付着する部分に炎症が発生することがあります。
  2. 膝蓋腱の膝蓋骨付着部(最も多い)
    最も一般的な部位で、膝蓋腱が膝蓋骨に付着する部分に炎症が生じます。この部位の炎症がジャンパー膝の主な原因です。
  3. 膝蓋腱の脛骨粗面付着部
    膝蓋腱が脛骨の粗面に付着する部分に炎症が生じることもあります。これは比較的まれなケースです。

痛みの程度による分類

ジャンパー膝は、その痛みの程度によって3つのステージに分類されます。

  • ステージ1:運動後に痛みが出現するレベル
    運動後、膝の前側に軽度の痛みを感じる段階です。普段の生活ではほとんど痛みを感じませんが、運動をすると痛みが現れます。
  • ステージ2:運動中にも痛みが認められるレベル
    運動中にも膝に痛みを感じ、痛みを避けるためにフォームが崩れることがあります。この段階では、休息を取ることで痛みが治まることが多いです。
  • ステージ3:運動パフォーマンスに影響を及ぼすほどの痛みがあるレベル
    進行した段階で、膝の痛みが運動パフォーマンスに大きな影響を与えます。痛みが強く、日常生活やスポーツで膝を動かすことが困難になることがあります。この段階になると、早期の治療が重要です。

ジャンパー膝の症状と原因

ジャンパー膝の症状は、膝の前側、特に膝蓋腱(膝の皿の下部)周辺に痛みが生じることが特徴です。運動中や運動後に痛みが増し、膝に強い圧力をかける動作で痛みを感じやすくなります。痛みが進行すると、膝を伸ばす際にも不快感を感じることがあります。

ジャンパー膝に悩む男性

原因としては、以下の要因が挙げられます。

  1. 繰り返しのジャンプ動作
    ジャンプや着地を繰り返すことで、膝蓋腱に過度の負荷がかかり、炎症を引き起こすことがあります。
  2. 筋力の不足
    大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)が弱いと、膝蓋腱に余分な負担がかかりやすくなります。また、臀部や下腿の筋力が弱いと、大腿四頭筋とその付着部である膝蓋腱に負担がかかりやすくなります。
  3. 柔軟性の低下
    太ももの筋肉や膝周辺の筋肉が硬いと、膝の動きに制限がかかり、膝蓋腱に過剰な負担をかけてしまいます。
  4. 不適切なトレーニング
    トレーニングでのフォームの不良や過度な負荷が原因で、膝蓋腱にストレスをかけることがあります。
  5. 膝以外の関節可動域低下
    足関節や股関節など、膝関節以外の可動域が低いことで膝関節に過度の負担が掛かる事があります。

ジャンパー膝を放置するとどうなる?

ジャンパー膝を放置すると、膝蓋腱が慢性的に炎症を起こし、痛みが強くなることがあります。さらに、膝の動きが制限されるため、歩行や運動時に不安定感を感じることがあります。長期間放置すると、膝蓋腱が断裂する危険性もあるため、早期の対処が非常に重要です。

また、痛みを避けるために膝をかばって歩くと、膝や股関節、腰に余計な負担がかかり、他の部位に痛みが出ることもあります。

当院での対応について

ジャンパー膝は、早期に適切な治療を受けることで、症状を軽減し、再発を防ぐことができます。整骨院での施術では、痛みを軽減し、膝の機能を回復させるための治療が行われます。

施術の流れ

  1. 問診・検査
    どのように膝に痛みを感じ始めたのか、痛みの強さや運動の履歴を確認します。膝の動きや筋力、関節の状態をチェックし、必要に応じてエコーやレントゲン検査を行うこともあります。
  2. 急性期の処置
    痛みが強い時期には、アイシングやテーピングを使い、膝の炎症を抑えます。また、膝の負担を減らすために、安静を保つことが大切です。
  3. 回復期のリハビリ
    痛みが治まった後は、筋力を回復させるためのトレーニングや、膝の柔軟性を高めるストレッチを行います。特に大腿四頭筋を強化し、膝への負担を軽減します。
  4. 再発予防のトレーニング
    スポーツ復帰を目指す場合、ジャンプ動作や着地動作のフォームを改善し、膝を守るための筋力強化やバランス訓練を行います。

自宅でできるジャンパー膝のセルフケア

ジャンパー膝を改善するためには、整骨院での治療とともに、自宅でのセルフケアも欠かせません。まずは、急性期にはRICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)が有効です。膝を冷却し、腫れを抑えることができます。

痛みが治まったら、膝のストレッチや筋力強化を始めます。特に大腿四頭筋の筋トレ(スクワットやレッグエクステンションなど)が効果的です。また、適切な靴を選び、膝への負担を軽減することも大切です。場合によっては、膝のサポーターやインソールを使用することもおすすめです。

まとめ

ジャンパー膝は、繰り返しのジャンプ動作や過度な負荷が原因で発生する膝の痛みです。早期に適切な治療を受け、セルフケアを行うことで、症状を軽減し、再発を防ぐことができます。膝の痛みを感じた場合は、安静にして冷却処置を行い、必要に応じて整骨院での診断と治療を受けることが大切です。ジャンパー膝の症状を早期に解決し、健康的な運動ライフを送るために、早期の対応を心がけましょう。

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この記事を書いた人

<資格>
・柔道整復師
・日本スポーツ協会公認 アスレティックトレーナー
<学・職歴>
・東京農業大学卒業
・大正製薬株式会社
・深谷整形外科
・田淵整形外科
・エル整骨院
<トレーナー歴>
・アメリカンフットボールXリーグ ラングラーズ

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